2018年06月28日 Architecture, Diary
6月末で名古屋の百貨店『丸栄』が75年の歴史に幕を下ろし、閉店するので最後に改めて拝見に。
巨匠建築家 村野藤吾 による設計の建物は日本建築学会賞を受賞した唯一の百貨店。
村野藤吾の建築は残念ながら日本各地で耐震性や老朽化を理由に取り壊されていますね。
数年前、名古屋都ホテルも解体されましたし。
個人的に好きな建築家でもあり、今までに箱根プリンスや高輪グランドプリンスなどのホテルに宿泊したり、
広島の世界平和記念聖堂なども見学に行っています。
丸栄の建物は均整の取られたリズミカルな縦ルーバーとスラブの水平ラインが印象的な外観。
そして、交差点のコーナー部の隅切りがデザインを切り替え、かつ建物の印象を柔らかくし、エントランスの顔を作っています。
また、西側にあるモザイクタイルの壁画も村野藤吾らしさがでています。
残念ながら内部は村野建築らしさはなかなか伺えない状態です。
東郷青児が描いたエレベーターは今は動いていませんでしたが、見ることはできました。
重厚感ある大理石を使用した階段は最近の建物では見られなくなってきていますね。
こういうデザインを見ると何だかほっとします。
館内では丸栄の歴史を展示も行われており、当時の活気や時代を感じることができました。
また歴史ある名建築が失われるのは残念です。
名古屋市を拠点に住宅、店舗、クリニック等の設計を行う『イクスデザイン』
http://www.iks-d.jp